研究活動

まだ学生がいないので、以下は竹ノ下の関わっている研究プロジェクトです。

ガボン、ムカラバ-ドゥドゥ国立公園における野生霊長類の長期継続調査

1999年から、アフリカ、ガボン共和国南西部のムカラバ-ドゥドゥ国立公園 (Park National de Moukalaba-Doudou) に調査拠点を設けて、ニシローランドゴリラをはじめとする霊長類の長期野外研究を続けています。

野生のゴリラをヒトづけ(人間の観察者の存在を気にしなくなるまで慣れてもらうこと)し、ゴリラの群れを直接追跡し、かれらの行動の観察を通じて、ゴリラの生活史や採食生態、群れ内の社会関係などを調べています。

研究プロジェクトには日本人研究者のほかに、当地国ガボンの科学技術研究センター熱帯生態学研究所 (Institue de Recherche en Ecologie Tropical: IRET) の研究者とも連携しています。また、地域に暮らす人々にも、調査アシスタント等として協力してもらっています。

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図1: 現在追跡中の群れのシルバーバック、ニダイ

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図2: JICAの援助で建設されたリサーチステーション

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図3: 樹上で葉っぱを食べるコドモゴリラ

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図4: 観察風景

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図5: ガボン人研究者、地域のアシスタントたちと

社会性の起原と進化

人間は社会的動物であると言われますが、社会的である、あるいは社会性があるとはどういうことなのでしょうか。他人と関わり合いを持って暮らすとか、集団生活を送るという意味であれば、人間以外にも社会的な動物はたくさんいます。人間以外の動物の社会性と人間の社会性は同じなのか違うのか、そして 「人間の社会性」とは何か について、動物学、霊長類学、(文化/社会/生態)人類学などさまざまな分野を融合した学際的研究プロジェクトです。

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飼育ゴリラの社会関係に関する調査

かつて日本の動物園ではゴリラを群れで飼育するのはとても大変でした。しかし、近年になって上野動物園、京都市動物園、名古屋市東山動植物園では、ゴリラを野生と同じ一夫多妻型の群れで多頭飼育するようになり、群れ内での繁殖にも成功しています。日本にいながらにしてゴリラの社会を研究できる時代になりました。

2012年から、東山動植物園さんのご協力のもと、同園に暮らすゴリラの群れの行動観察をしています。主として子どもの社会関係の発達を調べています。